今回の解説は「エコラリア」(反響言語)についてです
エコラリアとは
「オウム返し」という表現の方が馴染みがあるかもしれませんが、現在ではこの表現は不適切として使われなくなっています。自閉症スペクトラム(ASD)の特徴に必ずあがるエコラリア(。・∀・。)
自閉症スペクトラムの入門書籍にも紹介されていることが多いです。
その内容は
「思い出したように、好きなフレーズを言う」
「言われたことを、そのまま繰り返す」…というものが多いように思います。
ですが、実際に自閉症の方たちに接している方はエコラリアが「単にこれだけではない」ということに気づかれていると思います(。・∀・。)
エコラリアの種類
エコラリアにはまず大きく2つに大別されます。その役割はそこからさらに細分化されます。①即時性エコラリア
②遅延性エコラリア
即時性エコラリアは、周囲からの問いかけなどをそのまま返すものですね。
支援者「ジュース飲む?」→ 自閉症児の回答「ジュース飲む?」
即時性エコラリアは独特のイントネーションであったり、最後の語尾が上がる疑問文のイントネーションであったりします。
慣れてない方だと、疑問文に疑問文で返されるので「どっちなの?」(^_^;)と戸惑うかと思います。
遅延性エコラリアは、好きなフレーズを口にしたりするものが代表的ですね。
鉄道のアナウンスであったり、CMの印象的なフレーズだったりします。
だいたいメロディーラインが独特のが好まれる印象ですね。
そういえば、絵本のフレーズを言ってた子もいたな〜。
テレビなのか?それともお家の人の口ぐせ?みたいなのもありますね(。・∀・。)
短めのものから、少し長いものまで、その子によっていろいろあります!
ここまでは入門書でも載っています。ここから少し詳しく書きます( -`д-´)
エコラリアの論文
日本語で書かれている研究論文で、エコラリアについて、とてもよくまとめられているのは、
「自閉性障害児における即時性エコラリアの生起関連要因−関わり手の発語に注目して−」,廣澤・田中(2007),東北大学大学院教育学研究科研究年報55集第2号
ですね!!(。・∀・。)
即時性エコラリアについて、丁寧にまとめられています!もちろんそれだけではなく、「関わり手」の方に着目されているので研究の中身も大変興味深いです。
国内での日本語でのエコラリアの研究論文って、ぺぇさんの知る限りそれほど多くありません。(海外論文や言語聴覚士の分野だとあるのかな?そこまで手が回っていません、スミマセン)
特に遅延性エコラリアの日本語で書かれたものとなると、もっと数が少なくなります。
(^_^;)
よく引用されていると論文といえば下の2つの海外論文です。
①Prizant, B. M., & Duchan, J. F. (1981). The functions of immediate echolalia in autistic children. Journal of Speech and Hearing Research, 46, 241─249.
②Prizant, B. M., & Rydell, P. J. (1984). Analysis of functions of delayed echolalia in autistic children. Journal of Speech and Hearing Research, 27, 183─192.
この方が、エコラリアの機能について言及した人たちですね。
①が即時性エコラリア、②が遅延性エコラリアについて述べられています。
これから特別支援教育を専門に勉強される大学生は原論文もぜひチェックしてくださいね
(`・ω・´)ゞ
…英語ですがw
∑(゚д゚)・・・前フリが長くなりすぎました。
一度区切って、肝心な中身は次回に…_(┐「ε:)_
関連記事を下にまとめたのでクリックしてのぞいていってくださいね。
関連記事
・自閉症のエコラリア 種類とその役割①・自閉症のエコラリア 種類とその役割② 即時性エコラリア
・自閉症のエコラリア 種類とその役割③ 遅延性エコラリア
・ぺぇさんのエコラリア
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