グルテン(小麦と牛乳)と自閉症スペクトラム&ADHD等の発達障害

グルテン(小麦と牛乳)と自閉症スペクトラム&ADHD

ブログのリニューアル作業に疲れたので新しい記事を書きますw
昔の記事のレイアウトが盛大に崩れてしまっていて、なかなか作業が進まないw(*´∀`)
ちょっと現実逃避w

最近、「小麦は体に悪い」という知人に会いました。

巷ではちょっとしたブーム(グルテンフリーなどとして)になっていますね(・∀・)

その話をしていたら、何年か前に
「自閉症の原因は小麦なんですか??」という質問を受けたことを思い出しました(ー_ー;)

今日はそんなグルテン(小麦と牛乳)と自閉症スペクトラムをはじめとする発達障害の関係についてです。

ためしに、今現在、ネットで検索してみると小麦や牛乳に含まれるグルテンを食事から除くと、自閉症スペクトラム(ASD)の症状やADHDの症状、その他、精神疾患に関する症状が改善されたという記事が多く出てきます。
(数年前より、そうしたことを取り上げる記事が随分増えたな〜という印象です)

発達障害の子どもはグルテンを体内で上手く処理できず、脳に悪影響を及ぼしているというものですね。(グルテンが慢性的に腸の炎症を引き起こす「セリアック病」というのもあるみたいですね。)

 その食事療法を否定しているサイトもあるにはありますが、とても数が少ないですね。
そんな、ぺぇさんも「グルテン説」には懐疑的な見解です。今のところは。


グルテンを除くことが症状改善に役立つのか

そもそも科学的な根拠が薄い

グルテンを除くいわゆる食事療法の一種は、科学的な根拠(エビデンス)が薄いと思います。

(*『全くない』といっているわけではありません。明確に自閉症スペクトラムの原因が明確にされてない以上、そういう意味ではグルテンが可能性としてゼロと言い切れない…と思います。)

アメリカではそうした論文が2010年前後にあって、今でも食事療法を主としたアプローチを行っている人もいるみたいですが・・・。

 本当に効果があるのであれば、もっと追従する論文であったり、効果を再現しようと類似の論文が出てきてもおかしくないように思います。(それが広まれば、必然的に日本でも調査等が行われるでしょうし…されていないですね)

ぺぇさんのまわり&経験上

少なくとも、ぺぇさんが自閉症スペクトラムやADHDで効果があったという日本の研究や論文を聞いたことがありません。

 というか、自閉症スペクトラムの子で「牛乳・小麦のアレルギーがあり、そもそも除去している」子も知っています。
(「グルテンは他の食品にも含まれている」という指摘がきそうですが・・・)

 もう一つ言えば、グルテンを除去する食事療法で「改善された」という発達障害の人に、ネットの情報以外で実際に出会ったことがありませんし、療育や教育、いろんな研究の場でもそうした話を聞いたことが全くありません。

 それは「ぺぇさんの周りだけだ」という指摘もありそうなので、外部資料でも引用しておきましょう

外部資料より引用

農林水産省HP掲載資料(→http://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/
『欧米・豪州等6か国、組織における グルテンフリー表示に係る調査報告書 (海外文献・資料に基づく)』(2017.3),NPO法人 国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)

以下、斜体は引用です

〈要旨〉
  米国では現在約 300 万人がセリアック病と推定されている。その割合は米国人約 100 人に1人と言われている。しかし、そのうちの3%しか正式に「セリアック病」という診断が下されていない。50 年前に比較すると患者数は4倍になっている。

  しかし、セリアック病の患者以外の消費者にもグルテンフリー食品のニーズが高まっている。この要因としては、セリアック病と診断を受けた人だけでなく、グルテンフリーの食品の方がヘルシーであると信じる消費者が増えていることなどがある。また、健康志向の高い人たちの間でグルテン含有量が多い食品を避け、アレルギーではないが、グルテンフリー食を実践している人も多い。

  こうしたことから、米国のグルテンフリー商品市場は 2002 年頃から拡大してきた。2004 年以降 20%以上の高い成長率を記録しており、市場規模は 11億~15 億ドルといわれ、2012 年には 26 億ドル市場になるという予測もある。

〈〜ぺぇさん中略〜〉

 ①セリアック病と診断を受けた人だけでなく、グルテンフリーの食品の方がヘルシーであると信じる消費者が増えている、②アレルギー成分の有無、食物不耐性になる原因の1つであるグルテンに敏感な消費者がベビーブーマー世代を中心に増え、子どもに対してもアレルギンとなるグルテンを避けたいという思いがある(米国では少なくとも1種類の食品にアレルギー反応を持っている人は 1,200 万人と言われている)、 ③グルテン含有食品はADHD(注意欠如多動性障害)、IBS(過敏性腸症 候群)、自閉症へのリスクが高まるというネガティブ報道があり、消費者がグ ルテンフリー食品を好む傾向がある(科学的根拠はない――とみられている。


・・・カッコづけで注釈で「科学的根拠がない」と記されています。

ちなみに自閉症スペクトラムの原因で有力なのは…

 一つ明確なのは、先天的な脳の機能障害であること。…でそれが、なぜ引き起こされるのか?なのですが、これまでワクチン説やら愛情不足説やら、実はいろいろ「出ては消え」ています。

 今のところは「遺伝子」が有力視されていますね。自閉症スペクトラム症状を引き起こす遺伝子があるのではないかという説です。(まだ見つかっていません。ちなみに一つの遺伝子なのか複数の遺伝子の組み合わせでなるのか、詳細も不明)

 この遺伝子に、遺伝子が作用するような複合的な要因が関連して自閉症スペクトラム症状が出るのでは…と考えられています。

まとめ

 自閉症スペクトラム・発達障害には対処療法的に、様々なアプローチが生まれています。〇〇法、〇〇セラピー、〇〇療法、〇〇訓練法、〇〇トレーニング、○○アプローチなどなどです。

 視点を変えてみると、その原因が定かでなく、どれも画一的な指導・訓練効果が得られないがため、どんどんいろんなアプローチが増えていったとも言えます。

 でも・・・不思議とピタッと指導法や訓練が当てはまって、効果バツグンな子もいるのです。今回、取り上げたグルテンを除く食事療法がもしかすると当てはまる子もいるかもしれません。

 取り組もうと思われる方は、よくメリット/デメリットをよく検討をした上で行うことをおすすめします。(メリット/デメリットはあえて書きません)

 そして、自分が上手くいったケースは情報提供として行うのは良いと思いますが、「小麦が原因!」と広める前に、もう少し多面的な情報を載せてほしいと思います。
(o・ω・o)

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