最近、久しぶりに「交流及び共同学習」という単語を耳にしたので、それについて解説しようと思います(。・∀・。)
多くの学校で、障害のある子どもとない子どもの交流が行われています。
例えば特別支援学校の子どもたちが地域の学校を訪問したり、お手紙をやりとりしたりなどなどです。
「交流及び共同学習」は文科省も推進しているところです。
次の学習指導要領でも継続して記載されるでしょう。文科省の説明ページを載せておきますね
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/010.htm
あと文科省の「交流及び共同学習のガイド」も(。・ω・)ノ
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/010/001.htm
「あれ?そういえば交流教育とは違うの?」と思われた方は鋭い方です( -`д-´)
これが今回のテーマ(主に1970年代)となります!!
アラサーのぺぇさんもこの世に生まれてませんがwww
文科省は現在、「交流及び共同学習」という文言を使っていますが、元々は「交流教育」という用語を使っていました。
交流教育とは
養護学校設立と義務化に伴い、障害のある子どもたちの「教育を受ける権利」は保障されることになるのですが、障害のある子どもの「教育の場」というのが問題になっていました。(「インテグレート教育」(統合教育)の議論へと発展していきます)
それと同時に、「特別支援教育」が始まる前の「特殊教育」と呼ばれる時代の幕開けでもあります。
特別支援教育が始まる時に、「特殊教育は別の場所で別の教育を行う」というような
説明をよくされていましたね。障害のある子どもの教育の場というのを「分ける」「別物」というのが前提にあったわけです。
そうしたこともあり、「交流教育」で障害のある子とない子の交流は大切だといわれてきました!!
…曖昧な感じで、学習指導要領に書かれていたみたいですが、
(この時代の学習指導要領は専門外です…スミマセン_(┐「ε:)_)
次第に「交流」ということが明記されてくるようになります。
問題となるのがこの「交流教育」の中身です!!
交流教育が単なる「場の交流」に終わっていて、それがいったい何の意味があるのか…という批判がありまし・・・いや、今でもあります(ー_ー;)
そこで出てくるのが、似ているようで違う「共同教育」です。
こちらも60〜70年台ころの話です。
一方、発達保障の考え方を持つ人たちからは、「障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶ」ことを目的に、交流教育とは違うアプローチで、「共同教育」ということに取り組まれていました。(…ぺぇさんの記憶では確か「京都」の学校が初だったと思います)
無意味な「共同」は避けつつ、障害のある子・ない子のお互いの発達につながるように、
それが可能な教科の一部分であったり、特別活動であったりで「共同教育」は行われていたようです。
当時、生まれてないぺぇさんには、これが全国区レベルでどの程度の影響があったのかはぺぇさんには分かりません(ー_ー;)
ですが「一緒に学ぶ」という点において「一石を投じた」のではないでしょうか…推測ですが(;・∀・)
「交流教育」と「共同教育」は、言葉は似ているようですが、別の性格を持ったものと言えるでしょう。そして「共同教育」という言葉は使われなくなっていきます。
※ちょっと脱線
一部の時代・地域では、特殊教育スタート前の「ダンピング」(放り込み)と呼ばれていた「とりあえず通常学級でみんなと勉強してた」ケースや、スタート後であっても、先生が「通常の学級で学ばせたい」という熱意で、通常の学級で勉強するケース(学級保障や原学級保障など呼び方は地域差があるみたいですね)なんかもありました。そしてはじまる「交流及び共同学習」
この「交流及び共同学習」の文言自体は、平成16年の障害者基本法の一部改正によって登場します。これを踏まえて、現行学習指導要領にも反映されることになります。
文科省によると
「障害のある子どもと障害のない子どもが一緒に参加する活動は、相互のふれ合いを通じて豊かな人間性をはぐくむことを目的とする交流の側面と、教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があるものと考えられます。」・・・だそうです。
教科等を意識した「共同学習」が登場します。
特別支援教育のスタート前後は、議論の中心は既に「インテグレート(統合)教育」から「インクルーシブ(包括的な)教育」へと移っていたので、それを見据えてのことだと思います。
経過としてはこんな感じです(。・ω・)ノ
こうして現在に至るわけですが、本質的な問題は解決されていません。
「なにをどうすれば・・・」
障害のある子どもの「学びの場」とともに、深く関連する「交流及び共同学習」、その内容は、これからも長い検討が続きそうです。
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