ぺぇさんの考え&基本的な指導スタイルを紹介します
施設や学校の先生向けで、強い偏食のある自閉症スペクトラムの子どもを想定して書いてます。特に新しく特別支援学校・特別支援学級の先生になった人向けですね(。・ω・)ノ
1)基本は指導者&支援者との関係が大事
まず、どの子への指導でも大前提となるのが、子どもと指導者&支援者との関係が大事です。関係ができているからこそ、いろんな「かけひき」のさじ加減ができるからです。
また、『この先生が言うのだから食べてみよう』という関係ができるのが「ぺぇさんの理想」でもあります(。・∀・。)
全く偏食指導が効果がなくても、他の場面で少しずつ関係ができてくると、ちょっとチャレンジしてみようとか、この前少し食べられたから、これもチャレンジしてみようとか、身近な指導者の存在が、子どもの内発的な動機に少しでも寄与できればステキだと思います。
※子どもが相手を見て(指導者&支援者によって)、食べる&食べないのは「偏食」ではありません。指導者&支援者の関係性がしっかり構築できていない、もしくは単に技量の問題です。
2)もう一つ、基本は「食事」は「おいしい」「楽しい」ということを大切に
3)柔軟な目標
偏食指導を考える際は、まわりの子どもとの比較ではなく、その子を見てルールであったり、指導方法を考えます。普段の食べるペース、今日の体調、給食・食事のメニューなんかもですね(。・∀・。)
いろんなことを加味して、その日の無理のない目標を決めればよいと思います。
…というのも、あまり子どもに負担がかかると、パニックになる子もいます。「もう給食・食事が嫌だ(´;д;`)」となってしまってはもともこもありません。
時にはその日の指導の引き際も肝心です。思い切って、「今日はコレだけにしよう」と判断するのも大切です。
※この判断はぺぇさんも難しいところです。例えば学校では、給食の時間が決まっていて、給食終了の時間が決まっていす。大人が思う以上に「時間がないから切り上げてもらえる(苦手なおかずの量が少なくなる)」ことを子どもはよく分かっています。こうした事態が頻繁に起こると、子どもに偏食指導の主導権を影で握られるようになってしまいます。
そのため、はじめに盛るおかずの量・目標の設定は非常に重要です(。・ω・)ノ
4)小技いろいろ
・食べやすくする・見た目を変える・量を調整する重度の自閉症スペクトラムの子どもで、パンは食べるがお米は食べないと聞いていた子が、ご飯を指の爪くらいの小さな「おにぎり」にして渡すと「食べた」という経験がぺぇさんにあります。
・スゴイ楽しみが後に控えている
好きな給食のおかずの「おかわり」がしたくて、少量食べることができたパターンや、早く遊びに行きたくて(食事の次に楽しみなことがあって)、食べられたパターン。食べた「ご褒美」とも言えますね。ただ特別な「ご褒美」ばかりでは、「ご褒美」がないと食べないことに繋がるので、頻度は少ない方がよいと思います。
・達成感を味わうようにする
苦手なおかずのはじめの量を極端に減らし(爪のさきほど)、食べきることで、お皿を空けた達成感を得られるようにする。認知が高い子には、食材の表を作って、食べられた食材にシールを貼り、達成感を感じられるようにしたこともあります。
お皿が空っぽになったらおしまいという意識付けにもなります(。・ω・)ノ
・自己選択という後押し
スプーンを2つ用意して、異なる苦手な食材を乗せ、どっちを食べるか提示します。
ひとつのスプーンには量が多め、もうひとつのスプーンはちょびっとだけ…。要はちょびっとのスプーンなら「食べれそう!!頑張れそうと!!」と思わせる方法です。
「自分で選択する」ことが、大きな後押しになったりします。
・苦手なもの・好きなものを食べる順でのかけひき
例;「デザート食べる前に、コレを一口たべよう」
「牛乳飲む前にコレ食べよう!!」など
・おかずを混ぜるパターン
ちょこっと苦手なおかずを、得意なおかずと一緒に食べるという方法
※これは子どもによっては、「だまされた!!(´;ω;`)」と思う子もいます。大人を信用しなくなり、指導者・支援者が差し出すものに手をつけなくなることもあるので、その子がどんなタイプかと、ご自身との関係・信頼性などもよく見計らって行うほうが良いと思います。
・特別支援学校でのケースで、学校の畑でとれた、自分が育てた野菜を持ち帰って調理すると食べるようになったパターン
・・・(。・∀・。)
他にもいろいろやってきたんだろうけど、取りあえず思いつくものを取り上げてみました!
身近な先輩に聞けば、きっといろいろ教えてくれると思います
5)ルールを崩す&広げる
「食べ方」にこだわりがある場合は、「何にこだわっているか」をしっかり見極めることで、こだわりのルールを崩すことができる場合もあります。「白いご飯は食べず、『ふりかけ』をかけないと食べられない」という子がいて、実は「ふりかけ」にこだわっていなのではなく、「ご飯に何か『かける』ことにこだわっていた」ということもあります。
この場合は、「ふりかけ」から、少し違ったものをふりかけることで、本人の食が広がると言えます。
それと、強い「同一性保持」がある子どもの場合、案外、本人自身が「こだわることに疲れている&あきているがやめられない」というウソのような話もあります。何かきっかけがあれば、あっさりこれまでのルールやこだわりを捨てることがあります…(しかし、次のこだわりが始まるとも言えます。)
6)個人の判断で、施設・学校のできる以上のことはしてはいけません。
時々あるのですが、子どもを思うばかりに、施設の限界を超えて対応しようとする指導者・支援者がいます。
たとえば、「電子レンジで温めてほしい」という保護者からの要求はよくありますが、実際に対応できない学校がほとんどだと思います。
まわりのクラスがそうした要求を断っているにの…勝手に電子レンジを設置したり…などなど。その先生がいるクラスは良いかもしれませんが、まわり、その次の年の後任の人が大変なトラブルに発展することは容易に想像できます。
施設・学校としてどこまで対応できるかは、特にハード面であったり、個人の持ち込みなどをどこまで対応できるかなどは、一人で判断せず、組織で対応した方が良いと思います。
一気に書いたので、書き漏れもありそうですが、だいたいこんな感じです
(。・ω・)ノ
次は、「家庭との連携」という視点で記事を書こうと思っています(。・∀・。)
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・③家庭との連携
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