【解説】発達障害と関連!?DCD:発達性協調運動障害とは

今日は「DCD:発達性協調運動障害」について解説します(。・∀・。)
…長いです。スミマセンm(_ _)m

「発達性協調運動障害」(Developmental Coordination Disorder)とは

長いんでDCDの略語を使いますね(。・∀・。)

 DCDとは、簡単にまとめると、「いろんな動作や運動をまとめる一連の脳機能」の課題であり、それにより「日常の生活や学習に困難が生じる」というものです。

そして「ただの運動が苦手」というものではありません。

 知っている人はず〜っと前から知っていたみたいですが、この数年でDCDが少しずつ知られるようになりました。4番目の発達障害にあげる人もいます。

 ぺぇさんが思うに、発達障害の「学習面」や「社会性」の課題についての理解が学校なんかでも知られることが一旦落ち着いて(まだまだ知られてないことも多いのですが)、運動面へ関心が向いてきたからではないかと思います。

 特に小学校の先生なんかは、学習面だけでなく、体育の授業で運動面も指導しますからね(。・∀・。)

 発達などをよく勉強された熱心な先生が、『運動もなんとかしたい』『学習面のように運動面にも科学的な知見があるのでは?』という、教育現場でのムーブメントも要因だと感じています(●´ω`●)
(・・・「学習面」や「社会性」で苦闘・大奮闘している先生が大半でしょうが)


DCDがこれまで知られていなかった理由

 以前の診断で使われていた「DSM−Ⅳ TR」では、なんと!!「DCD」と「広汎性発達障害」との併記ができませんでした。(一緒に診断できない)

 発達障害の子どもは不器用な子どもが多いことは知られていました。しかしながら、より上位な「広汎性発達障害」が診断されることにより、「DCD」がなかなか発達障害に携わる人へ知らることが、そもそも少なかったように思います。そういう意味では、随分と長いこと、スポットが当たってこなかったと思います。

ちなみに現在の「DSM−Ⅴ」では自閉症スペクトラムとの併記が可能になりました。

DSMーⅤでの診断基準をザックリ紹介すると

・年齢に期待するものより、明らかに劣り、「不器用さ」(落とす、ぶつかるなど)と「運動技能」の遅さや不正確さなど。
・それらが、日常生活に影響がある
・DCDの発症は発達初期から。
・知的障害、視覚障害、神経的な疾患(筋ジストロフィーなど)ではない

・・・です、詳しくはDSMーⅤでご確認ください m(_ _)m

 ちなみにDCDは「Motor Disorders」というジャンルに位置づけられています。
そして発達初期からとありますが、幼児期は運動発達の個人差が大きいので、幼児期に明確に診断が出ることはありません。

 それとDCDの発症の原因はよく分かっていません。発達障害や自閉症と同じく、根拠の全くない変なものも出回っています。信憑性はありませんのでwww


発達性協調運動障害(DCD)の子どもが困る場面

DCDのこどもは全体の6%程度ではないかと推測されています。

学校生活で困るのは体育全ぱ・・・せっかくのなで、もう少し細かく見ましょう( -`д-´)

 「協調」とは、いろんな動きをまとめるものです。日常動作の大半が協調性のある運動といっても過言ではありません。

 よくDCDの説明であげられるのは、ボール投げ、縄跳びなんかですね。
 ボールを投げる動作の途中で落としてしまったり、真下に投げつけたり…飛んでくるボールを受けるのはもちろんのこと、転がってくるボールも上手く捉えることができません。

 縄跳びも、腕を回すことと、そのリズム、跳ぶという動作が、一連ではなく、バラバラになってしまうので上手くできません。

・・・よくある説明ですが、これだと「私もそうかも!!」と思われる方がいるかもしれません。

・・・が!!DCDの子どもが困っているのはコレだけでありません。

 健常の子どもは、発達初期は一つ一つ意識していた動作も、次第に「オート」(自動的)にできるようまとめていきます。DCDの子どもは経験を重ねても、こうしたことが難しいという点が顕著に異なります。

 その特徴は「発達初期」から見られるとありますが、「乳児」からその特徴が表れているのでは?と最近は言われるようになってきました。

 「母乳をうまく飲めない」「ハイハイの獲得が遅い」なんかが言われますが、ぺぇさんは、赤ちゃんは本当に個人差が大きいのであんまり気にする必要はないと考えています。

幼児に見られる特徴として・・・

(これも個人差があるのでこれだけで判断してはいけません)

 ・嚥下(飲み込むこと)が下手
 ・誤嚥が多い
 ・発音が不明瞭で聴き取れない
 ・滑舌がわるい
 ・ボタンが苦手
 ・着替えが極端に時間がかかる
 ・三輪車が上手くこげない
 ・パズルが苦手
 ・ファスナーの上下が苦手
 ・お箸やフォーク、スプーンなど上手くあつかえない

…などなど
嚥下や構音に関する運動の苦手さも、DCDの特徴として現れるケースがあります。

学齢期では

体育的なもの以外では…
 ・定規・コンパスを上手く扱えない
 ・リコーダーが苦手
 ・よく、ぶつかる・こける
 ・姿勢のキープ
 ・食べ物を上手く口に運べず、よくこぼす
 ・階段の「のぼり・おり」に、ぎこちなさが見られる
 ・ハサミでまっすぐ切ろうとしても、ギザギザになってしまう

…などなど
 片足立ちが極端に苦手だったり、スキップができなかったり…などもDCDの特徴に挙げられることもあります。

そして、DCDの特徴は大人になっても困難さを継続していることが多いようです。

 そのため、仕事場面で時間がかかったり、極端に不器用なことを指摘され続けることで、二次障害を引き起こしていることも多いと考えられています。大人に限らず、子どもの頃から、不器用なことをたくさん指摘されているため、自己肯定感が十分に育まれていないことが多いと推測されます。

さらに発達障害や自閉症スペクトラムの子どもたちが運動が苦手なことが多いことから、DCDとの関連が注目されています。

 これからDCDの研究が進んで、そっち方面から自閉症のことなんかが分かるかもしれませんね(。・∀・。)
あと、発達障害の子どもが視機能の訓練(ビジョントレーニング)で運動機能や書字の改善が報告されていますが、この辺との関連もどうなっているのか気になる…www

DCDに用いる運動機能のアセスメント検査

診断基準は上でも書きましたが、診断はそれだけ行われるものではありません。
DSM−Ⅴ、ICD10ともに「検査を行う」こととありますが・・・


・・・(。・∀・。) 日本では現状困難!!


外国にはこうした検査がいくつかありますが、日本ではまず知られていません。
そういえば「Movement-ABC2」の日本語版ってもう出たのかな(;・∀・)
 
 というか、発達検査の購入手続きをしたことがありますが、こうした検査を目にしたことが、ぺぇさんですらありません。興味はあるが、どういうルートで勉強ができるんだ(;・∀・)

心理検査や認知検査の物流とは違うのかな?ぺぇさんが知らないだけか??(ー_ー;)

 こうした検査は、ぺぇさんも書籍の中でしか見たことがありません。検査する側も、この手のアセスメントを知らないことが多いのでは・・・という点を危惧しております!
_(┐「ε:)_

 こうしたDCDの特徴は、WISCなんかでは測定できないと思うので、もっと広がってほしいなと思います。これからに期待!!

DCDへのアプローチ

 「どう介入・支援するか」というのがDCDの難しい問題です。
脳の運動に関する機能が関連することが推測されていますが、効果的なアプローチはまだまだこれからと言えます。

ぺぇさん個人としては、
①専門機関と相談の上、療育に関わってもらう
 言語療法士(構音など)・作業療法士(手先・巧緻性)・理学療法士(体の使い方)の各分野は、少しずつDCDの特徴をカバーしています。それぞれの立場からとはなりますが、専門的な指導を受けることで改善が見込めるかもしれません。

②便利グッズの活用
 あくまで手先の不器用さという点では、最近はユニバーサルな道具であったり、発達障害の子どもでも使いやすいツール(定規やコンパス)が出始めています。これらを活用することで、子どもの苦手意識や負担を減らすことができます。(あくまで本人が納得して使うことが前提となりますが…)

③学校での理解
 DCDが知られてきたとはいえ、本当にまだ一部です。通常の学級の担任の先生は、まず知らないと思います。DCDの概念を知っているかどうかで、子どもへの声かけも全然変わってきます。どの障害でも同じですが、理解のある先生に巡り合うことは非常に重要なことです。やっぱり、トータルで子どもを見ているのは学校の先生ですから。
(もし、お子さんがDCDの診断が出た場合、「学校に知ってもらう」「理解してもらう」という点からスタートしなければなりません。)

まとめ

 DCDは単なる「運動が苦手」ではありません。「不器用」といわれると、どうしても個性の範囲内(得意・不得意)になってしまって、その深刻さが伝わりませんね(ー_ー;)
DCDの理解が広がってほしいなと思います。

 それと、DCDに関してあまり知られていない「DAMP症候群」については次の記事で
紹介しますね(。・ω・)ノ
 他にも発達障害に関連する記事を下にいくつかまとめているので、読んでない記事があればクリックして行ってくださいね。

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